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【mmHg】 【kPa】 【cmH2O】 の違いとは?





こんにちは。

細胞や臓器の灌流実験のための装置に人生のほとんどの情熱を傾けている技術者の佐野です。

今回の記事は、灌流中の圧力の単位についてです。

・mmHg、cmH2O、kPaはどうやって変換するの?

・そもそも何が違うの?

という疑問を解決します。


目次

  1. 結論

  2. なぜ血圧はmmHgか

  3. 血圧計の歴史

  4. 間接式と直接式

  5. まとめ



結論


まずは、結論からです。


1mmHg⇒0.1333kPa⇒1.340cmH2O

1kPa⇒7.5mmHg⇒10.05cmH2O

1cmH2O⇒0.736mmHg⇒0.0981kPa

この式を頭に叩き込んでいればkPaとmmHg、cmH2Oが出てきても怖くありません。


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なぜ血圧はmmHgか

 


 エンジニアとしては、kPaの方がなじみがあります。

単位にはSI単位系というものがありまして、国際基準でこれを使いなさい、としっかり決まっているんです。


 それで、圧力に関して国際基準でこれを使いなさい、という単位は、Pa(パスカル)で、これに1000をあらわすkがついたkPa(キロパスカル)も国際基準単位系です。


それではなぜ、医療分野の血圧などではmmHgが使われているのでしょうか。

少し調べていると、しっかりとしたリファレンスを見つけることができました。


「生体内の圧力の計量単位に係る軽量単位令の改正について」 日本医学会長 

http://www.jarm.or.jp/wp-cntpnl/wp-content/uploads/2017/05/member_news_20131025-2.pdf


なんだか、すごい資料に行きつきました。平成25年10月2日に日本医学会長の高久先生から日本医学会分科会向けに向けた資料です。


これによると、厚生労働省医政局総務課長から周知依頼があったようです。

なかなか難しい文章なのでまとめると、

計量法に基づいて、mmHgの単位は廃止する予定だったけど、改正する政令が出て、「生体内の圧力の計量に用いる場合に限り」水銀柱メートルを使っていいですよ、

という内容のようです。



しっかりと政令で定められていたのですね。というか、mmHgはこの段階では削除される予定だったようです。


ということで、調べた限りでは、そのあともこの政令が継続しているようですので、2020年6月9日現在では、「生体内の圧力の計量に用いる場合に限り」胸をはってmmHgを使っていいようです。


エンジニアの端くれの私が目にする圧力計は、主に工業用途ですので、「生体内の圧力の計量」には用いないので、SI単位系のkPaが使われているのですね。なるほど、すっきりしました。


 それでは、工業用途の圧力計を「生体内の圧力の計量」に使う場合は、どうでしょうか?

判断は微妙ですが、おそらくmmHgを使っていいと思われます。

というか、こちらの方が血圧を測定している研究者にはしっくりきますよね。



血圧計の歴史



 もともと、世界初の血圧計は、イタリア人医師のピオーネ・リヴァロッチによって1896年に考案されました。これは、水銀柱によって圧力を読み取る圧力計部分と、ゴム球を握って加圧するカフ部分からなり、病院で看護士さんやお医者さんが聴診器を中に入れて測定するタイプの血圧計の走りのようです。(久保田、血圧測定の歴史、医機学 Vol.80, No.6(2010))


 実際には、コロトコフ音の発見により普及が広まりました。よくカフの内側に聴診器を挟むのはこのコロトコフ音を聞くためです。


 著者も、エンジニアの端くれながら、社会人向けの医学教育プログラムに参加し、自分のコロトコフ音を聞いたことがありますが、コツコツとびっくりするような音が聞けたのを覚えています。




間接式と直接式


血圧測定の方式には、間接式と直接式があり、間接式は基本的にカフを腕に巻いて間接的に血圧を測定する方式、直接式は、直接血管の中に管を指して観血的に測定する方法です。


観血血圧計は、1947年にアメリカの医学者アール・ウッドらによって世界で初めて行われ、血圧を直接的に、しかも連続的に測定が可能な方式です(久保田、血圧測定の歴史、医機学 Vol.80, No.6(2010))。


灌流培養における灌流圧測定は、この直接式にあたります。これにより、臓器や組織を灌流中の流路(≒動脈)の圧力を連続的に測定することができます。


弊社の定圧送液ユニットなら、直接式の流路圧測定はもちろん、その圧力をポンプにフィードバックして自動制御する定圧送液が簡単に行えます。

定圧送液ユニットで示される単位は、生体内ではありませんが、生体内同様の条件を測定しているという観点からmmHgを採用しています。

kPaをmmHgに変換するには、装置内部での工夫が必要なのですが、この辺りは機会があれば開発ストーリーで紹介しようと思います。




まとめ

以上今回の記事をまとめますと、

  • mmHg、kPa、cmH2Oの関係は


      1mmHg⇒0.1333kPa⇒1.340cmH2O

      1kPa⇒7.5mmHg⇒10.05cmH2O

      1cmH2O⇒0.736mmHg⇒0.0981kPa


  • 血圧測定でmmHgが多用されるのは、世界初の血圧計が水銀を使ったものだったから

  • 血圧測定には、間接式と直接式があり、灌流圧測定は直接式が使われる

となります。


mmHg 、kPa、cmH2Oなどの医療研究分野で使われる単位について少しでも理解が深まっていれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。


執筆者 佐野和紀

#血圧 #灌流知識 #お役立ち情報 #定圧灌流

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