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Ex vivo灌流におけるカニューレについて

臓器灌流実験には切っても切れない、血管カニュレーションについてです。


・どのくらいの太さの血管にどの太さのチューブをカニュレーションすればいいの?

・留置針ではダメなの?

・血管とカニューレはどうやって固定するの?


など、血管カニュレーションについてのリアルな疑問について解説します。


目次

  1. そもそもなぜカニュレーションが必要か

  2. カニューレとは

  3. カニュレーションの基本的な考え方

  4. 対応血管径一覧

  5. 血管とカニューレの固定方法

  6. 留置針との比較

  7. まとめ



1.そもそもなぜカニュレーションが必要か



臓器灌流実験では、一部の例外を除きカニュレーションと呼ばれる、「血管にチューブを差し込む操作」が必要です。

その理由は、生体と同じように血管を介して灌流液を臓器に供給するためです。

これにより、動脈と静脈に直接アクセスできるようになり、臓器へのダイレクトな薬剤投与や、静脈からの戻り解析で直後の灌流液の解析が可能になります。





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2.カニューレとは




カニューレという言葉は、cannula ラテン語で、医学用語です。

Wikipedia(英語版)によると、

A cannula (/ˈkænjʊlə/; from Latin "little reed"; plural cannulae or cannulas) is a tube that can be inserted into the body, often for the delivery or removal of fluid or for the gathering of samples.

(Wikipedia英語版 https://en.wikipedia.org/wiki/Cannula 2020年7月16日アクセス)


ということで、どうやら体内と外をつなぐチューブのことをカニューレと呼ぶことでよさそうです。

血管カニューレのほかに、気管カニューレ、心臓カニューレなどがあるようです。




3.カニュレーションできる≒灌流できる



ここから、Ex-vivo臓器灌流で必要なカニュレーションについて解説します。

動物の臓器を取り出して血管にカニュレーションしてそこを介して灌流をするのですが、

よく、


「〇〇の臓器は灌流できますか?」


と聞かれます。


答えとしては、


「摘出とカニュレーションが可能であればできる可能性が高いです」

「ラット小腸、ラット大腿骨格筋では実績がございます」


と答えています。



基本的に摘出とカニュレーションさえできれば物理的には灌流可能です。しかし、この摘出とカニュレーションについてイメージがなかなかわかないのも事実です。


実績のあるラット小腸では、8週齢SDラットの場合、動脈径が約0.8mm、静脈径が約0.9mmでした。


ラット大腿骨格筋の際は、ラット大腿動静脈にアクセスするのですが、こちらも径としては大体小腸と同じで、動脈が約0.7mm弱、静脈が0.9mm弱となっています。


実際には、実体顕微鏡や手術用顕微鏡を使用して、動脈は血管内径より少し太いカニューレ、静脈は、少し細いカニューレを挿入することでうまくカニュレーションできます。




4.留置針でのカニュレーション



血管径に合った留置針やチューブを探してきて、カニュレーションすればいいのでは?と考えるあなたは自作で行っている先生か、なかなかの臓器灌流マニアです(笑)。


自作臓器灌流を行っている方々のほとんどが、留置針を使用してカニュレーションし、糸で縛ってそこからアクセスしていると思います。


しかしながら、外科医でも、手先がそれほど器用なわけでもない、エンジニアの私が同じように留置針でカニュレーションを同じように行うとほとんど外れてしまいます。


実際に、留置針で何回か試しましたが、カニューレを入れて糸で縛る際に、つるっと血管から抜けてしまったり、灌流中に血圧が上昇してするっと抜けることが多く、留置針周りのトラブルでよく灌流がストップ(実際はもっとひどく、装置に培養液が満タンに満たされて漏れているか、臓器にがカラカラに乾いて朝を迎えるか)していました。




そんなことを繰り返しながら、「何とかしなければ」と一念発起し、血管接続チューブの開発を進めていきました。





5.血管接続チューブの開発



「血管に挿入するときは、するっと入り、入った後はできるだけ抜けにくい、そして血管に穴をあけてしまわないこと」


という、無理難題のような課題に対して試行錯誤を繰り返す日々が始まりました。

詳しくは、別記事の開発ストーリーで紹介していますが、なかなか根気のいる作業でした。



関連記事:開発ストーリー|開発者の思い(臓器培養システム開発実例・秘話)



最終形に行きつくまで実に2年近くの歳月をかけて完成したのが、血管接続チューブです。




特徴は、特殊素材の採用により、濡れた血管にはするっと入るが、形状の保持と摩擦によって抜けにくい。適度な柔らかさをもって、血管に穴をあけにくい。そして、糸で縛るときに少し糸が食い込むような柔らかさとなっているため、糸で縛ると抜けにくい。


さらに、血圧200mmHgまでは、チューブ構造内で液漏れすることのない特殊構造の採用により、高血圧にも対応できるようになりました。




これで、エンジニアの私でもそれほど失敗することなくカニュレーションができるようになりました。


おそらくこの記事をご覧になっている方々は、動物実験に心得のある研究者の方々が大半と思います。



エンジニアの私ができるのだから、 研究者の方々はできるはずです!




こちらから、血管接続チューブのサンプルをご請求いただけます。



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灌流を行ってみたい臓器が決まっていて、事前に試してみたい方はぜひご利用ください。




6.対応血管径一覧



チューブラインナップと対応する血管内径の一覧は下記です。




7.まとめ


今回の記事内容は、Ex-vivo灌流で最も重要な要素の一つの血管へのカニュレーションについてでした。

まとめると

  • 血管にカニュレーションができて、摘出ができれば灌流可能な可能性が高い

  • カニュレーションは、留置針だと外れてしまうことがある

  • 対策として血管接続チューブを試行錯誤を繰り返して開発した

となります。


いかがでしたでしょうか。実際に臓器灌流を始める上で、最もよくある質問である



「どうやって血管に接続するの?」

「どの臓器が灌流できるの?」



といった疑問にお答えできている内容となっていれば幸いです。




最後までお読みいただきありがとうございました。


執筆者 佐野和紀



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