
蛍光観察や発光観察をする際に、暗室で操作することがスタンダードとなっているかと思います。
最近は、各社から暗室不要の顕微鏡など出てきて簡単に蛍光観察ができるようになってきました。
蛍光観察、発光観察を行っていて、長期培養を行う場合、
暗い中でどうやって培地交換するの?
というお悩みはありませんか?
今回は、そんなお悩みに対する一つのお答えを紹介します。
目次
暗室は本当に「暗い」
手作業での培地交換は「賭け」
それでも必要な培地交換
自作ポンプで培地交換という選択肢
細胞灌流装置で一手に引き受けます!
まとめ
暗室は本当に「暗い」

実験のために、筆者は実際の暗室にお邪魔しました。
弊社の培養装置をセットして、培養環境を整え、さぁサンプル(細胞)をセットして観察、となったとき、パチッと照明がOFFになりました。
さっきまでの部屋の様子がまるで見えないくらい暗い。かろうじてPCのモニターの明るさでその周囲が見えるくらいです。
手作業での培地交換は「賭け」

そんな中で、培養装置のフタを開けて、ディッシュの蓋を開けて、細胞に触れないように培地を吸って、新しい培地を細胞がはがれないように静かに注ぐ、そんな操作はほぼ不可能!
(もし行っている方いたら、ごめんなさい、、)
もし、私が行うとしたら、たぶんこのくらいかな、と予想しながら、本当に供給されているか不安を感じながら行うことになりそうです。まさに「賭け」。
大事なサンプルの操作ならなおさら、緊張して手が震えてしまうでしょう(笑)
それでも必要な培地交換

そんな状況にもかかわらず、ES細胞やiPS細胞はじめ代謝が活発な細胞たちや最近話題のオルガノイドは、培地交換してあげないとすぐに死んでしまいます。
1日おきの培地交換はざらにあると聞きます。
そんな活発な細胞・オルガノイドたちをリアルタイムで観察できたら・・・。
そんな声が多いのではないでしょうか。
自作ポンプで培地交換という選択肢

「それでは、外からポンプで交換したらいいじゃない」
そう考えたあなたは、灌流マニアですね!(笑)
外からポンプで培地交換するには、
ディッシュにアクセスするチューブを用意して、
それにポンプをつなげて、
溢れないように、供給側と廃液側のポンプの流量を制御して、
細胞が剥がれないような流量を割り出して、、、、
突き詰めていけば、うまくいくようなシステムとなると思います。
しかし、いちから始めようとすると、「本当に行いたい実験の前に」 多くの検証が必要で、多くの時間がかかってしまうのが現状です。
細胞灌流装置で一手に引き受けます!
そんなお悩みの一つの解決策は、細胞灌流システム です。
専用のフタと適切なポンプ設定により培地交換時のオーバーフローを抑えます。
チューブは専用のものを用意していますので、準備不要です。
操作は、タッチパネルで行うので、暗い暗室の中の作業も安心です。
実際の培地交換操作の動画はこちら↓
高度な培地交換作業が可能
暗室での培地交換のお悩み解決にプラスして下記のようなことができます。
・培地交換時の温度変化を抑えられる
チューブヒーターを通った培地を供給することで、交換用培地でのサンプルの温度低下を防ぐことができます。
・プログラム動作により自動培地交換可能
タッチパネルでプログラムを組むことで、「○○時間後に〇回培地交換する、それを5回繰り返す」などの自動的な培地交換が可能になります。
・手動より遅い速度での供給が可能
ポンプ流量を落とすことで、手動では成し遂げられないマイルドな培地交換作業が可能になります。i
そのほかにも、持続灌流、薬液投与、混合などプログラムすることができます。
まとめ
今回の内容をまとめますと、
・暗室は真っ暗で、その中での培地交換は、難易度が非常に高い
・自作ポンプでもできるが、条件割り出しが大変
・細胞灌流システムでは、高度な培地交換が可能
となりますでしょうか。
いかがでしたでしょうか。実際に暗室内で培地交換をされている人には、わかっていただけるような内容をお届けしたつもりです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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登場した製品
細胞灌流システム
(プログラム式流体制御システム PMD)
灌流、培地交換、薬液投与、混合を
1つの装置で実現します。
サンプルを顕微鏡に置いたまま、上記の操作プログラムで動作します。
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