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バイオリアクターとは? 細胞培養から再生医療までメーカーが解説します



研究分野や産業分野で「バイオリアクター」という言葉が聞かれます。

バイオリアクターってそもそも何?

自分の研究分野とはどう関係があるの?

といった疑問に答えていきたいと思います。

今回の記事では、バイオリアクターと呼ばれる装置について解説します。

目次


・バイオリアクターとは

・バイオリアクターの種類

・再生医療分野でのバイオリアクター

・血管内灌流と外部液灌流

・研究用バイオリアクター

・まとめ



バイオリアクターとは



バイオリアクターと一言で言っても様々なものがあります。そもそも、バイオリアクターとは、バイオのリアクターですから、直訳すると生物反応槽です。


バイオリアクターに対してケミカルリアクター(科学反応槽)というものもあり、こちらは、高校化学の教科書に載っているような実験を工業スケールで行うためのものです。イメージで言うと、試験管にピペットで試薬を入れて反応させている実験を、連続的にポンプなどで供給して効率よく行うようなシステムです。例えば、塩化ナトリウムの製造やその他化学物質の合成に使われます。


バイオリアクターは、それを生物に行わせるリアクターとして発展してきました。

身近なところでは、発酵分野でお酒の製造などは身近なバイオリアクターの例です。


お米と麹菌、酵母を使用して日本酒を作る過程は、まさにバイオリアクターの典型例です。

(そう考えると、お酒の製造は古くから行われていますので、リアクターという考えは、バイオリアクターの方が先?)



生物に働いてもらい、人に有用な物質を(大量に)生産する、という働きがあるものはバイオリアクターといえるでしょう。



再生医療でのバイオリアクター

このようにバイオリアクターの分野としては、発酵・微生物分野が最も歴史がありそうですが、近年、再生医療の発展に伴い、ほ乳類細胞の大量培養の手法としても行われるようになってきました。


細胞を効率よく大量培養して研究に使用したり、移植に使用したりするためのバイオリアクターが多くのメーカーから販売され、実際に使用されています。


その中で、特に再生医療研究が近年飛躍的に発展し、Tissue Engineering(組織工学)という分野が発展しています。


組織工学では、細胞を集めて、組織や臓器を創るということを一つの目的としており、そのために、大量の細胞が必要になってきたことはもちろん、組織や臓器を成長させるための役割が必要になってきました。


そこで、組織工学用のバイオリアクターでは、主な目的を、組織・臓器の成長に置き、そのために特化したバイオリアクターが求められています。


再生医療分野でのバイオリアクターの種類


再生医療分野でのバイオリアクターは主に、

  • ・細胞を大量培養するもの

  • ・組織・臓器を成長させることを目的としたもの


の2つに分けられます。

ある組織工学分野でのバイオリアクターのレビュー論文では、冒頭に

“Bioreactors are generally defined as devices in which biological and/or biochemical processes develop under closely monitored and tightly controlled environmental and operating conditions (e.g. pH, temperature, pressure, nutrient supply and waste removal).”

とあります(Martin I. et al. Trends Biotechnol, 22(2) 10, 2004)。



精度よくコントロールして、成長をモニタリングしながら、組織や臓器を構築することが求められているようです。



血管内灌流と外部灌流


組織や臓器を作製するバイオリアクターに限ると、その栄養供給方法は大きく分けて2つのタイプがあります。

外部液灌流タイプと血管内灌流タイプです。



外部液灌流タイプは、主に血管密度のそれほど高くない組織(骨、軟骨など)の灌流に適しています。

一方で、血管密度の高い、いわゆる臓器では、血管を介した栄養供給が必須であると考えています。



これは、組織の厚みと拡散の話になりますが、詳しい話は、種々の論文に譲るとして、一般的な認識で、厚みのあるものに外から栄養を供給するより、中に張り巡らされた毛細血管を使用して栄養供給したほうが効率が良いことは、なんとなくわかるかと思います。


そして、「血管を介して栄養を届ける」ということは、生体の栄養供給と同じ方法で、生体を模倣している方法ということもできると思います。


しかし、血管を介して栄養を届けるには、当然ですが、血管にチューブを挿入(カニュレーション)したり、柔らかい臓器を固定したり、流す流体制御を血流と同じにしたり、などなど、外部液灌流タイプと比べると難易度は格段に上がります。

研究用バイオリアクター


これらを一手に引き受けるのが臓器灌流システムです。


Ex-vivoでの臓器作製・培養の研究用に最適化されており、血管を介した栄養供給で生体を模倣した培養ができます。

血管へのカニュレーションや臓器の保持などのノウハウが詰まっています。


(詳しくはこちらの記事に開発の苦労話が載せてあります)

生体模倣の観点では、灌流中の臓器や組織に圧力をかけることも可能です。

(詳しくは別記事で別途解説します)


また、再生医療分野にとどまらず、動物から摘出した臓器(単離臓器)をEx-vivoで解析する実験にも使用できます。バイオリアクターの観点で開発された臓器培養システムは、10時間~数日の培養を伴う解析が可能ですので、生理学実験に「培養」というキーワードをプラスした実験系が構築できます。



まとめ


以上まとめますと、

  • ・バイオリアクターとは、「生物の」「反応槽」である

  • ・発酵分野で発展してきたが、再生医療分野での発展が目覚ましい

  • ・再生医療分野でのバイオリアクターは、外部液灌流タイプと血管内灌流タイプがある

  • ・研究用バイオリアクターの臓器培養システムは血管内灌流に特化したバイオリアクターである

となりますでしょうか。



今回は、バイオリアクターについて解説しました。

バイオリアクターにご興味のある方、これからバイオリアクターを使った実験を予定している方に有意義な内容となっていれば幸いです。



最後までお読みいただきありがとうございました。



執筆者 佐野和紀

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