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Ex vivoとは? In vitro in vivoとの違い



こんにちは。人生のほとんどの情熱を灌流装置の開発と臓器灌流に注いでいるエンジニアの佐野です。

最近、in vitro、in vivoに加えて、「Ex-vivo」という言葉を耳にしていませんか?


  • Ex-vivoってそもそも何?

  • In vitroやin vivoと何が違うの?

今回の内容で、そういった疑問を解決できれば幸いです。


目次

  1. in vitroの主役は「細胞」

  2. in vivoの主役は「動物」

  3. ex vivoとは? 主役は「臓器・組織」

  4. in vitro, in vivo, ex vivoの歴史

  5. ex vivo研究のハードルを下げる

  6. まとめ


In vitro の主役は「細胞」



In vitroとは「試験管内で」という意味のラテン語で、in vitro試験、in vitro研究、日本の研究者では「ビトロ」という呼び方が定着していると思います。

特に、医学・薬学・生物研究分野では、in vitroというと主に細胞を使った実験を意味する場合がほとんどです。


培養皿上で細胞を培養し、その細胞を観察したり、薬剤の試験をしたり、遺伝子を導入したり、細胞の変化を解析したりする研究があります。いずれにしても主役は、「細胞」である場合が多いです。

In vivo の主役は「動物」



In vivoとは「生体内で」という意味のラテン語で、日本の研究者では、「ビボ」とよく呼ばれていると思います。


In vivo実験では、主役は動物です。ゼブラフィッシュ、マウス、ラット、イヌ、ウサギ、ブタ、サルなど動物で行う実験はすべてin vivo実験です。


具体的には、細胞で証明された現象を動物個体で再現する実験がこれに相当します。

人為的にコントロールされていない条件ということもできます。





Ex-vivoとは?-主役は「臓器・組織」





Ex vivoは「生体の外で」という意味のラテン語で、臓器や組織を生体の外に取り出し


てきて、「臓器単体」を対象とする研究です。










細胞(in


vitro)で行った実験を動物個体(in vivo)で再現出来て、「やっぱりこの現象は生体でも起きています」という裏付けをするために行うことが多いのですが、しばしば、「細胞実験では、起きていた現象が、動物個体でやってみると結果が異なった」ということが起こります。

こういうことが起こると、「やはり細胞と生体とでは違うね」となり、研究成果となりにくいことも多い(これ自体が研究成果であることは間違いないのですが)と推測されます。

こういった際に、臓器単体で評価のできるEx-vivo研究でその原因の究明ができると考えています。


Ex-vivo実験の実例はこちら


関連記事:【Ex-vivo臓器灌流】ラット骨格筋の研究への応用例




関連記事:【Ex-vivo臓器灌流】消化管研究への応用例(ラット小腸灌流実例)



In vitro、 in vivo、 ex vivo の歴史



今回調査した中で、In vitroの記述があった最も古い論文は、1899年に公開されています。(“TOXINS AND ANTITOXINS.” JAMA XXXII, no. 3 (1899): 136. https://doi.org/10.1001/jama.1899.02450300038008.)

なんと、一世紀以上も前に in vitroという概念があったようです。



それに対し、In vivoの記述のあった最も古い文献は、生体内での血液凝固に関する論文で、1894年に公開されています(Wright, A E. “On the Influence of Carbonic Acid and Oxygen upon the Coagulability of the Blood in Vivo.” Proceedings of the Royal Society of London 55, no. 331–335 (1894): 279–94.)。こちらはin vitroよりも5年前の文献です。



一方で、Ex-vivoは、比較的新しい分野と思っていたら、結構古くから行われている分野で、調べられる範囲では、1964年にブタの肝臓を灌流する論文が出ていました(LIEM, D. S., WALTUCH, T. L., & EISEMAN, B. (1964). FUNCTION OF THE EX-VIVO PIG LIVER PERFUSED WITH HUMAN BLOOD. Surgical forum, 15, 90–91.)

in vitroの最初の文献より65年後、in vivoの最初の文献より70年後に、ex vivoの概念の論文が出てきたことになります。



2020年6月11日現在、Pubmed(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/)で「in vitro」と検索した際のヒット論文数は、1,509,490件、「in vivo」と検索した際のヒット論文数は903,143件となっており、論文数としては、in vitro研究の方が多い傾向にありました。


イメージとしても、細胞のみで完結する実験は始めやすく、解析手法も多くありそうです。

それに対して、動物実験を加えようとすると、飼育や解剖や手技など+αの技術が必要となりそうな印象を受けます。



一方で、pubmedで[ex vivo]と検索すると74,049 件ヒットします(2020年6月11日調査時点)。

個人的には、結構ヒットしたな、という感覚ですが、この論文数は、in vitro、in vivoと比べると少なく(in vitroの4.9%、in vivoの8.2%)、研究分野としては、「一般的な分野」呼ぶにはまだ早い状態にあると言えます。


この理由を推察すると、Ex-vivo研究は、臓器そのものを生体外に取り出してきて灌流するので、血管にカニュレーションしたり、ポンプをつないだり、チューブを選定したり、温度制御を行ったり、、、とやることが多く、新しい系として確立するには、すぐにはできづらい実験系であることが一つの要因であることが考えられます。



Ex-vivo研究のハードルを下げる


弊社の臓器培養システムなら、事前検討は最小限に、動物臓器のEx-vivo試験ができます。

特に、ラット小腸、ラット骨格筋に関しては、専用のチューブや容器をラインナップしているので、比較的手順を少なく実験系を立ち上げることができます。


実際に、動物実験を行っている研究者では、1-2回のレクチャーで自ら小腸のEx-vivo灌流を行うところまでできています。

なぜスムーズに行うことができるかというと、柔らかい臓器を固定する構造や専用のチューブの開発を5年間行い、試行錯誤を繰り返した結果です。


実際に研究員となって手を動かしながら、試行錯誤したのですが、そのあたりは、開発ストーリーにて詳しく書いていますので、お好きな方はぜひご覧ください。



記事:臓器培養システムの開発ストーリーはこちら





まとめ


今回の内容をまとめると

  • Ex-vivoとは、生体の外で行う、主役が「臓器や組織」の研究

  • in vitro は試験管内で行う、主役が細胞の研究

  • in vivoは、生体内で行う、主役が動物の研究

  • Ex-vivo研究は、まだ一般的ではなく、始めるのにハードルがある


となります。



ex vivo, in vitro, in vivoについて、理解を深める際の参考になれば幸いです。


最後までお読みいただきありがとうございました。


執筆者 佐野和紀


#お役立ち情報 #exvivo #灌流知識 #臓器灌流



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